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2024年3月13日水曜日

Champrin 2024 チャンプリン

 Champrin '24 チャンプリン'24

フェンダー・チャンプ(Champ) とプリンストン(Princeton) 良いとこどり
Champrin front and rear view
Champrin '24
Fender VibroChamp '72完動品
シングルアンプからプッシュプル・アンプに MOD
(プリンストンと同じ回路に改造)
スピーカーを8インチから10インチに大きくし、
持ち運びしやすいキャビネットはそのままに、
使いやすいサウンドにMOD したアンプです


6V6GT x1 シングルアンプ ⇒ 6V6GT x2 プッシュプルフアンプ
8" (径 20cm) スピーカー  ⇒ 10"(径 25cm)スピーカー
シングル出力トランス 7W ⇒ プッシュプル出力トランス18W
電源トランス 325V 70mA=そのまま
トーンコントロール   =そのまま
ヴィブラート      =そのまま
キャビネット      =そのまま

日頃の練習・レッスンからライブまで全て使えるアンプは楽しい
練習している時の音のまんまステージに上がれるメリット
備え付けアンプの場合、ときとしてトーンコントロール設定方法や
ピッキング・ニュアンスの出し方に慣れなくて不完全燃焼しがち

チャンプのままだとライブで音圧が足りない
かといって Gamps の SingleJingle 回路にするには
高価なトランスへの全交換が必要となり不経済

プリンストンへの MODに必要なトランス交換は出力トランスだけ
パワー管は 6V6GTx 1本から 2本にしプッシュプルで音圧アップ

この改造の良いところは電源トランス交換が不要なこと
チャンプとプリンストンは同じ電源トランス使ってるんです

持ち運び易さはフェンダーアンプの中では断トツ
( Blues Jr. よりさらに小さいキャビネット )

AA1164回路のサウンドはブラックフェースのプリンストン!!!

シャーシー上の真空管レイアウト
Tube Layout

チャンプの回路とモッド後の回路
チャンプの回路と MOD後の回路


交換前の8インチスピーカーと交換後の10インチスピーカー
スピーカーのアップグレード
【製作概要】
真空管の配置(レイアウトを決め、シャーシーに穴あけをし
真空管レイアウトに沿って穴あけ加工
シャーシーの穴あけ加工

新しく回路ボードを製作し
プリンストン回路用に新しい回路ボード製作
プリンストンの回路をおさめるボード作成

新しい部品を載せ、回路を製作
回路ボードに回路部品を搭載
回路部品と配線をボードに搭載

製作過程
完成したシヤーシーとフットスイッチ

耐久性をみるためのロングランテスト(長時間通電と演奏) も済み
完成です。



 


2022年10月2日日曜日

Crate VC508 single ended guitar amp

 Crate VC 508

動画 MOD 後のサウンド

プリント基板を使い、プリアンプ一部が IC回路のアンプは
常にディストーションつなぎっぱなしのような音でした。

これをハンドワイアードのオールチューブ回路にMOD したら、
どんな音になったのでしょう ? 

動画を作製してみました。ご覧ください。



本文

さあてと、次の仕事にとりかかろうと思った矢先、「私自身がギターを練習するための、アンプが一台も無い !!!」ということに気づきました。

2021年 6月20日に Fender Super Champ をブログ掲載しました。
アンプのプリアンプ感度設定が良く、オーバードライブ機能を使わずともストラトやテレキャス等のシングルコイルギターでも簡単にクランチ・サウンドが出せ、いつまでも弾いていたくなり、練習用アンプとしては最適でした。しばらくは手元にいてくれることを願いながら丹念に1か月半の月日を費やして製作しました。ところが願いもむなしく、早々に売れてしまい、手元にはありません。中古在庫も無し。

Fender vibro champ を mod しPrinceton の回路に改造した Champrinも手元に残っていません。(中古在庫にあと一台 Vibro Champは有ります。将来製作予定)

Browny G3 も SingleJingle も自分の練習にも使える設計をしたはずなのに手元にはもうありません。(新品キャビネットの在庫無し、トランス在庫も無し)

新しいオリジナルアンプ2510の製作に専念するにあたり、作業のかたわら、休憩時間にギター演奏してリフレッシュすることが私の精神衛生上大切です。そのための練習用アンプが必要です。

在庫しているヴィンテージアンプ置き場をしばらく眺めることに。数台の Fender シルバーフェースに混じってひっそりと隠れている小さなアンプを見っけ。これこれ。こいつならキャビネットが小さく、仕事場で場所をとらない。自分が練習に使うという目的に合いそうです。ただし元々のサウンドは貧弱。大幅なレストアとMOD が必要です。

front view of Crate VC508 amplifier

90年代後半に買った Crate VC508 
オールチューブのシングルアンプという宣伝文句と値段の安さが売りのアンプだったと記憶しています。
何故かエフェクターの歪みサウンドが支配的な音でした。ゲインを最小にしても歪んでおり、オールチューブというにはあまりにお粗末なクリーン音です。チープ( Cheap 安っぽい)としか表現しようのない音質に購入後3日ほどで飽き、20年以上埃をかぶって寝ていたアンプです。

Crate VC508 Schematic diagram, marked up
回路図を見ると、
ギター信号入力直後にオペアンプICで構成される回路、いわゆるエフェクターのオーバードライブ回路(回路図の赤い囲い) があり、ここで歪み音を作りゲインのつまみを経てから、 12AX7(回路図の緑の囲い) に信号が送られ、トーンコントロールとボリュームの後にEL84 パワーアンプヘ行き、OT を介してスピーカー出力している。
つまりアンプの中にオーバードライブ・エフェクター( オペアンプ )を内臓しているアンプということがわかります。
注: オペアンプとはトランジスターを使った増幅素子が2個内臓された IC のこと
input jack, gain, tone, volume
コントロールパネルは左から
Input, Gain, Tone, Volume, Line out, Pilot lamp, Power Switch

Back panel removed to expose internal circuit
バックパネル を外すと、当然のごとく PCB プリントサーキット基板が使われています。よく観察してみると
・基板へのシャーシー取り付け
・基板直付けの真空管ソケットのハンダ付け
・配線の太さ
・使われている抵抗とコンデンサーの品質
は、アンプの新品価格の安さにしては意外としっかりとしています。少なくとも もっと価格の高いMesaBoogie よりは信頼性が高そうでFender のリイシューシリーズや Twin Amp よりは少しだけ劣るかもという感じの基板が付いています。少し驚きました。

しかし、プリントサーキット(PCB) の音の特性から逃れることはできず、ハンドワイアード回路の音の繊細さや音の太さとダイナミックさは出せるわけもありません。低価格なアンプゆえ当然といえば当然です。

このプリント基板のままオーバーホールして使うことは選択肢としてはあり得ません。
ハンドワイアード化が必要です。
オールチューブの持つ美しいクリーンが出てくれないと楽しく練習できません。
エフェクターの歪みは、早いパッセージが楽に弾け、かっこいい感じはするけど誰が弾いても同じ音がしてしまうところが嫌なのです。

単純にハンドワイアードにするだけではなく、新しく回路設計をやり直し、新たなレイアウト設計も同時に行い配線をする必要があります。
close up of the inner parts

セレッションの 8 インチスピーカーはこのまま流用します。完成後に試奏してあまりにもお粗末な音であれば手持ちのストックと交換します。
8 inch Celestion Speaker is mounted

キャビネットに付いているハンドルは柔らかく、持つとグニュッとスポンジーな感触がします。細かい部分ながら、この違和感がとても嫌いです。普通のハンドルは中に金属の板を入れ、剛性と耐久性を高めているものです。このハンドルは中に金属板が入っておらず、ゴムだけなのでグニャグニャです。もっと剛性感のあるしっかりと持てるハンドル(在庫)と交換しておきます。
Replaced with more stable one


シャーシーの外観、搭載パーツは左から 
PT ( 電源トランス ) , EL84 power Tube, 
12AX7 pre tube, OT ( 出力トランス )

トランスはこのまま流用します。
どうしても音にならないときにだけ交換します。

プリ・アンプのゲインを上げるため12AX7 を一本追加する必要があり、それに伴い、真空管レイアウトも変更します。
From left to right,  PT, EL84, 12AX7, OT

1. シャーシーから基板を外して
removing Printed Circuit Board

2. 新しく回路設計をします
元の回路とは全く異なる新規の回路図を製作します。
(トランスは流用)
designing new all tube circuit for VC508

3. 回路図を元にレイアウト設計
新規に作図した回路図を元に、適正な部品配置の検討を何度も重ねレイアウト設計を実施
designing parts layout based on the new circuit diagram

4. 回路部品を載せるボードを製作
レイアウト設計に基づきボードを製作し、
a) アイレット用の穴あけ
b) アイレットの打ち込み
c) グラウンド母線の製作と取り付け
d) 真空管ソケットの取り付け
を行いました。

VC508 のキャビネットは限界ギリギリまで小さく、余裕がありません。シャーシー上の真空管を取り付ける空間も限られています。シャーシー上の好きなところに真空管を取り付けることはできません。元の真空管取り付け場所を踏襲し、回路ボードに真空管ソケットを取り付けています。
eyelet hole, ground bass and tube socket has been installed

5. 回路ボードにパワーアンプ周りの部品搭載
installing cathode bias and drivers energy cap

6. パワーアンプ・ドライバー回路の部品搭載
installing power amp driver elements

7. プリアンプ回路の部品搭載とハンドワイアード
installing pre amp elements

8. 回路ボードをシャーシーにマウントし、各種ポットとハンドワイアードする
Hand wired circuit board has been mounted on chassis and hand wired to several pots

9. 電源回路ボードのシャーシーマウントとハンドワイアード
写真の上部、大きめのアルミ電解コンデンサーが載ったボードが電源回路ボード
Rectifier Board has been monted

作業前と後の比較

真空管のレイアウト変更
コントロール・ノブの変更
amp chassis before and after the rework

これで完成です。
写真は取り外した基板と完成したアンプの内部回路
new circuit board and removed P.C.B

新しくなったアンプのコントロールパネル
左から
Input , Gain, Tone, Middle, Master
from left to right, input, gain, tone, middle and master

Gain :プリアンプ初段のボリューム
Tone :2連ポットでTrebleとBassを連動させています。
センター(12時の位置)で Treble =5, Bass =5の状態、
そこから右に回すと Treble 増、Bass 減、
左に回すと Treble 減、Bass 増。
Middle だけ独立させ、操作性を向上。
Master は 10 の位置でマスター無しと同じ音圧。

使いやすいアンプに仕上がりました。

2022年9月3日土曜日

Fender Vibrolux Reverb ('77 silverface) for sale

 Fender Vibrolux Reverb '77

オーバーホール済 + ブラックフェーシング済 

SOLD, Thanks

1. アンプの外観

中古としては比較的きれいな外観です。
☆ 消毒済み、クリーニング済です
☆ 側面角にトーレックスのスクラッチ 1か所有り

front view of Fender Vibrolux Reverb silverface
正面

Face plate close up
フェースプレートのクローズアップ

rear view of Fender Vobrolux Reverb
背面

a tiny scratch on tolex
左上部の角のトーレックスのスクラッチあり

right side view of Fender Vibrolux Reverb
右側面

top view of Fender Vibrolux Reverb
右上部

2. アンプの基本仕様

回路仕様: オールチューブ、ハンドワイアード回路
音響出力: 35W RMS
スピーカー: 10 インチ x 2個 ( 8Ω x 2個の並列接続=4Ω)
出力管: 6L6GC x2 プッシュプル
整流方式: 整流管 真空管 5U4GB もしくは 5AR4
プリ管 : 12AT7 x2 本  12AX7 x4本

List table of each Fender guitar amplifier models
Fender ヴィンテージアンプの一覧表

ポジション( V1~V9) ごとの真空管タイプと役割の概説
Tube numbering and its corresponding function
Fender Vibrolux Reverb の真空管タイプとポジション毎の役割

当アンプの標準の電源電圧

export version PT and 100V indication
複数の一次配線の電源トランスとバックパネルの100Vの表示 

アンプは製造時に輸出仕様の電源トランスが搭載されています。
この電源トランスは一次側配線が複数あり、
各国の色々な電圧に対応できます。
このアンプは出荷時点から 100V 用の配線が施された状態です。

このアンプは元々100V 仕様です。
コンセントの電圧を120V に昇圧する必要はありません。
万一間違って昇圧した電圧を加えると、著しく寿命が縮んだり、
壊れたりします。

現在搭載している真空管のインベントリー

V1:12AX7WA SOVTEK
V2:12AX7 Electro Harmonix
V3:12AT7 Electro Harmonix
V4:12AX7WA SOVTEK 
V5:12AX7WA SOVTEK 
V6:12AT7 Electro Harmonix 
V7:5881WXT SOVTEK
V8:5881WXT SOVTEK
V9:5U4GB JJ

スプリング・リバーブ・タンク(パン)

アメリカ国内で製造されたスプリング・リバーブが搭載されています。状態は良く、問題なく使えます。型番は Fender のコンボ用の定番 4AB3C1B です。
ACCUTRONICS 4AB3C1B Made In USA
Reverb pan is Accutronics made in USA
本機のリバーブ・パン

zoom up of the letter of made in USA
Made In USA の証

注) Accutronics の商標は現在は韓国のBelton が持っています。
  昨今、生産されたAccutronics は韓国製です(Made in Korea)


3. 実施したメンテナンスの内容

A) 徹底したオーバーホールの実施

☆全てのアルミ電解コンデンサー交換
  ・使用部品メーカー: Sprague ATOM, F&T, Nichicon
  ・目的:寿命を迎えた部品を新しくする

☆全てのカーボンコンポジット抵抗の交換
 ・使用部品メーカー: Kamaya、Xicon
 ・目的:熱疲労により壊れる寸前の部品の事前交換

☆劣化したカップリング・コンテセンサーの交換
 ・使用部品メーカー: オレンジドロップ(CDE, SBE) 
 ・目的: 音質低下やノイズを引き起こす劣化部品の除去

☆劣化したセラミックディスク・コンデンサーの交換
 ・使用部品メーカー: CRL, Sprague, Murata 
 ・目的: Vibrato の揺れ復活。Treble・Bright の音質向上

☆劣化した電源コード(power cord) の交換
 ・使用部品: 芯線の太さAWG 16 x 3芯
 ・目的: 安全性の向上ならびに安定電源の確保

☆劣化したスピーカー・ケーブルの交換
 ・使用部品メーカー: Belden と WE(Western Electric) ヴィンテージ
 ・目的: 音質向上

☆劣化した真空管ソケットの交換
・使用部品: セラミック製 US Octal 8ピン x 3個
・目的: 耐熱性の向上による長寿命化

Mallory made silver electrolytic capacitor
付いていたアルミ電解コンデンサー、マロリー

New caps are sprague ATOM and F&T
新しいコンデンサー Sprague ATOM と F&T/新しい抵抗x2/ 配線材(1000V 耐圧 Belden)

old silverface circuits
作業前のアンプの回路

new parts are installed.
オーバーホールとブラックフェーシング後の回路

worn out original speaker cables
作業前のスピーカーケーブル

Belden and WE are used to build cables.
新しいスピーカーケーブル、配線はブラックフェースと同じ方式、Belden と WE 使用

Heat stress damaged pins of sockets
熱ストレスでダメージを受けた真空管ソケット(パワーチューブ用) x2

amp chassis two sckets are removed
パワーチューブ用ソケットを取り外したところ

several pins were dameged
熱ストレスでピンの折れた整流管用のソケット

used ceramic sockets to replace
熱に強いセラミック製の真空管ソケットに3つとも交換

B) 音質を追求したブラックフェーシングの実施

☆ ブラックフェースに適した配線材へ変更
 ・使用部品: Cloth replica wire ( 布被膜の単芯線 )
 ・目的: ブラックフェースと同じ配線レイアウトにし音質向上
 ・解説→
   シルバーフェースに元々付いている配線材は被膜が厚いのが特徴
 配線材をまとめたり拠ったりする配線レイアウトができません。
 Cloth replica wire を使うと配線のまとめや撚りが簡単になります。
 しかも絶縁性能は太い被膜のシルバーフェースのものと同じです。
 ブラックフェースと同じ配線のとりまとめや撚りを施し、
 美しい配線レイアウトにすることでブラックフェーシングが可能と
 なります。回路をブラックフェースにして音質を良くしつつ、
 発振しない、ノイズが出ない、安定したアンプに仕上げられます。

☆ ブースト回路の取り外し
 ・目的: 不要な発振・ノイズを減らし、回路を安定化する 
 ・解説→ブースト回路はリバーブ・トランスの出力を流用します。
     本来はリバーブのためだけに使われるリバーブトランスの
     信号をアンプの後方からアンプのフロントまで長い配線材で
     這わせる構造です。この余分な配線によるノイズと発振を
     なくすことにより、ブラックフェーシングした回路を安定
     させます。


many hook up wires and power cord replaced
ブラックフェーシングのために多数の配線材を交換(左) 安全のために電源コード交換(右)


enclosed foot switch jack hole of rear panel
リアパネルのブースト用フットスイッチのジャック穴は塞いであります
 

4. 当アンプの YOUTUBE 動画 GAMPS_GuitarAmp  

以下の3つの動画をまとめています。
  検索ワード:  GAMPS_GuitarAmp
  動画のURL: https://youtu.be/ryv1AkhkKBo
☆作業前の試奏テスト、音質と機能チェック
☆オーバーホールとブラックフェーシング作業の様子
☆作業後の試奏テスト、音質と機能の改善チェック
   

    

5. 取り扱い説明書 と予備の真空管

当アンプには取り扱い説明書と予備の真空管が付属しています。

SOLD, Thanks.  

売れました。ありがとうございます。


#FenderAmp, #VibroluxRever4b, #フェンダーアンプ, #ヴァィブロラックスリバーブ,